当社グループでは優れた環境性能を誇る飯野ビルディングをはじめ、所有する各ビルにおいて環境に配慮した取り組みを進めています。ここでは、不動産業における環境保全の施策として「温室効果ガスの排出削減」、「オフィスからの廃棄物の排出抑制」および「『イイノの森』における環境保全活動」の3点についてご紹介します。

当社では、主要賃貸ビルにおいて使用エネルギー量を計測し、テナント各社様と協力して省エネルギー対策に努めています。また、東京都により「特定地球温暖化対策事業所」（※1）の指定を受けている飯野ビルディング及び汐留芝離宮ビルディングにおいては、地球温暖化対策計画書を毎年作成して、二酸化炭素を始めとする温室効果ガスの排出量削減への取り組みを報告しています。飯野ビルディングは、省エネ効果の優れた設備を導入し、高い環境性能と快適な執務空間を同時に実現しています。テナント各社様にもご協力いただき、ビル一体となった管理体制の下で温室効果ガス排出量の削減に向けた効率的な設備運用に努めています。このような取り組みから、「東京都環境確保条例」における2015年度ならびに2020年度に「優良特定地球温暖化対策事業所」（トップレベル事業所）（※2）に認定されました。

※1　特定地球温暖化対策事業所

東京都は「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」に基づき、温室効果ガスの排出量の多い大規模事業所を対象として、「地球温暖化対策計画書」の作成を要請しています。本計画書の提出と温室効果ガスの排出総量の削減義務を規定することにより、事業活動による二酸化炭素等の排出抑制に取り組んでいます。

※2　優良特定地球温暖化対策事業所
（トップレベル事業所）

トップレベル事業所とは、東京都が条例に基づき推進する地球温暖化対策において、二酸化炭素排出量削減に向けた管理体制、建物設備性能及びその運用の推進の程度が極めて優れた事業所として認定されるものです。本認定により二酸化炭素排出量の削減義務率が1/2に緩和されます。

当社の主要賃貸ビルでは、東京23区の「廃棄物の処理及び再利用に関する条例」に基づき、「事業用大規模建築物における再利用計画書」を作成・提出しています。飯野ビルディング・汐留芝離宮ビルディング等、各ビルに廃棄物計量機を整備し、廃棄物の重量を自社で正確に計量・記録しています。これにより排出量の傾向と課題の把握が可能になり、排出の抑制と処理費用の低減に役立っています。

当社グループの不動産業では、他社と協働で汚染・廃棄物の削減に取り組んでいます。飯野ビルディングと汐留芝離宮ビルディングにおいては商業テナントと協働で、テナントより発生した廃油を発電機用燃料としてリサイクルする等の取り組みを行っています。また、日比谷フォートタワーでは、ビル共有者の三井物産都市開発株式会社と当社、ビル内の飲料自動販売機の設置・管理者のコカ・コーラボトラーズジャパン株式会社の３社が協働でPETボトルのリサイクルを推進するためPETボトル自動回収機とPETボトルリサイクルボックスを設置しました。

飯野ビルディングの公開空地「イイノの森」は、皇居・日比谷公園の緑を「つなぐ」ことをコンセプトに設計されました。地域に適した約80種・約140本の高木を中心に構成された緑地は、多くのワーカーから愛されています。2018年3月には、東京都環境局より「江戸のみどり認定緑地（優良緑地）」に認定されました。これからも都心部の環境と生物多様性を守る場として、維持管理に努めてまいります。