社会

社会への貢献

方針・戦略

飯野海運グループの社会貢献方針

飯野海運グループは、企業理念に基づく経営方針にて、社会を構成する責任ある一員として、社会と向き合い各種社会課題の解決に貢献することを掲げています。これに則って社会貢献方針を定め、企業として社会課題解決に向けて積極的に取組むとともに、グループ役職員の自発的な社会貢献活動を支援します。

社会貢献方針PDF(368 KB)

取組み

各重点分野の取組み
1. 自然環境・生物多様性

当社グループの柱の一つである海運事業は、海洋環境と切っても切り離せない関係にあります。海洋環境を保全するためには、海につながる河川やその源流となる森林を含む自然環境全体の保全が重要であると考え、取組みを進めます。また、自然環境を構築する多様な生物を保全するために、当社グループのもう一つの柱である不動産業においても積極的な取組みを行っています。

埼玉県秩父郡長瀞町での森林整備

当社は2023年2月2日に秩父広域森林組合(代表理事組合長:吉田 廣文)および埼玉県(知事:大野 元裕)と「埼玉県森林づくり協定」を締結し、埼玉県秩父郡長瀞町の7ヘクタールの森林づくりに出資しています。
また森林づくりの一環として、5月にグループ役職員ボランティアによる植林を行い、従来種と比較して花粉量を99%削減した「少花粉杉」を植えました。

本取組みの詳細は、生物多様性の保全をご覧ください。

「イイノの森」における環境保全活動

飯野ビルディングの公開空地「イイノの森」では、2014年からは潜在自然植生の復元を目指し、「イイノの森」にて生物多様性に配慮した環境保全活動を進めています。

本取組みの詳細は、生物多様性の保全をご覧ください。

飯野ビルでのニホンミツバチの養蜂「ミツバチプロジェクト」

飯野ビルディングでは2014年よりニホンミツバチの巣を設置し、ニホンミツバチの養蜂を行っています。また、飯野海運のファミリーデーで子ども向けに採蜜体験会を開催することや、採取した蜜を関係者や就業者に配布することで、ニホンミツバチや「イイノの森」の生態系保全に関する取組みへの理解を深めることを目指しています。

本取組みの詳細は、生物多様性の保全をご覧ください。

海岸清掃

2022年9月20日に千葉県の幕張の浜にて行われた日本財団主催の海岸清掃に、当社グループ役職員のボランティア5名が参加しました。今後も継続的に参加者を募り、綺麗な海洋環境を守るために努めてまいります。

2. 地域貢献

当社グループの事業活動は関連する地域の皆様の支えがあってはじめて成り立ちます。今後も各地域の皆様とより密接な関係構築に努め、対話しながら地域の発展に貢献します。

ランチタイムボランティア

当社グループ従業員が気軽に参加できる活動として、2014年より他の複数のテナント事業者と合同で飯野ビルおよび日比谷公園周辺の清掃活動を実施しています。コロナ禍で約2年半活動を中止していましたが、2022年秋より人数を絞っての清掃を再開し、3社が参加しました(当社は6名参加)。2023年春より本格的に活動を再開し、4社が参加しました(当社は13名参加)。今後も協力企業の皆様とともに定期的な実施を予定しています。

3. 災害復興/途上国/人道支援

災害復興支援

当社グループでは被災地域の方々への救援や被災地の復興のため、災害義援金の寄付を行っています。

近年の義援金寄付事例

実施年月 対象 金額
2024年1月 能登半島地震 600万円
2023年9月 モロッコ地震 500万円
2023年2月 トルコ・シリア地震 300万円
2021年12月 フィリピン中南部の台風22号 3万米ドル

遭難船の人命救助

当社グループが保有・船舶管理・運航を行う船が遭難船救助の要請を受けた場合、直ちに現場に向かい人命の救助を行います。

近年の人命救助事例

実施年月 内容
2023年2月 ケミカル船"Chemroad Queen"がアフリカ西海岸海域で遭難者52名を救助

途上国への文房具寄付

2021年より当社グループで不要になった文房具やリサイクル品を回収し、NPO法人を通して東南アジアを中心とした途上国の子どもたちのもとに届ける活動を行っています。計3回にわたり段ボール計37箱分の文房具やリサイクル品の寄付を実施しました。

ウクライナ人道支援

同国の方々および周辺国への避難を余儀なくされている方々を支援すべく、日本赤十字社および国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)を通じて総額1,000万円の寄付を行い、併せて当社グループ役職員の募金活動も実施しました。当社グループは同国の方々が直面している状況に思いを寄せ、一刻も早くこの事態が解決し、平和で安全な世界が戻ることを心から願っています。

4. 文化振興

飯野ビルディング内にある当社グループ運営のイイノホール&カンファレンスセンターは旧飯野ビルの頃から講演会やシンポジウム、式典、落語会、邦楽・クラシック演奏会、映画試写会などに使用されています。2022年度は345件の催事を実施しました。今後もさまざまな文化や芸能の発信地として飯野ビルディングが多くの人に愛される場所になることを願って、以下のような活動を行っています。

ランチタイムコンサート

飯野ビルディング1階にて展示しているグランドピアノは旧イイノホールで使用されていた、オーストリアBösendorfer(ベーゼンドルファー)社製の「インペリアルモデル」と呼ばれる、通常より鍵盤の数が多いものです。これを活用し文化の発信と若手音楽家への演奏機会を提供すべく、2012年よりピアノを中心に声楽や管楽器などさまざまな演者を招待し、月1回のペースでランチタイムに無料のコンサートを開催しています。コロナ禍で約3年間、開催中止となっていましたが、2023年4月より再開し、毎月第3水曜日に開催しています。2012年からの累計開催回数は103回となりました。(2023年11月現在)。

5. 人材育成

ボランティア奨励制度

本制度によって役職員が個人として参加する幅広い分野のボランティア活動を支援しています。

当社では、2012年度から2022年度まで災害ボランティアの参加者に対し、特別休暇および交通費等を補助するボランティア休暇制度を設けていました。2019年度は1名が台風の被害を受けた長野県上高井郡小布施町千曲川流域の農地清掃に参加し、制度開始から延べ36回の利用がありました。2023年度以降は、ボランティア奨励制度として規定化されたことにより、活動範囲および特別休暇の取得可能日数が拡大されました。

その他の取組み
不動産業におけるコミュニティへの取組み方針

当社グループでは、都市や街が社会的・環境的に持続可能であるためには、所有オフィスビルで就業されるテナント従業員や近隣就業者、イイノホールを利用されるお客様をはじめ、地域社会やコミュニティが健全に機能していくことが不可欠であると考えます。人と環境に配慮した質の高いオフィスや文化発信に貢献する空間を提供することを不動産業におけるコミュニティに対する取組みの基本方針として、エネルギー効率の向上、防災・セキュリティ対策、安全で健康な環境の提供などの社会課題についてエンゲージメントを行います。また周辺のコミュニティに配慮したオフィス開発のために、「景観街づくり賞奨励賞」を受賞したNS虎ノ門ビルのように地域の景観形成に貢献するとともに、飯野ビルディングでは、自治体に防災備蓄スペースを提供するなど地域防災機能の向上、周辺環境とのつながり、イイノホールにおける文化発信に貢献する空間の提供などに努めています。

テナント従業員と協働した地域社会への取組み

飯野ビルディングにおけるテナント従業員や近隣就業者との取組みとして、「イイノの森」で種から発芽した「実生苗」の配布イベントの実施、ビルエネルギーマネジメントシステムを利用したエネルギーの見える化でテナントとの協働による省エネルギーの推進、大規模地震を想定した全テナント協力の防災訓練の実施などを行っています。建物の安全管理体制を整備することにより、飯野ビルディングは東京消防庁の優良防火対象物認定表示制度に基づく「優良防火対象物認定証」(通称:優マーク)を取得しています。
地域社会への取組みとして、飯野ビルディングでは大規模災害発生に備え自治体への防災備蓄スペースの無償提供を行うなど、地域の防火・防災に貢献しています。

また、当社は飯野ビルディングに隣接する日比谷公園で毎年秋に実施される「日比谷公園ガーデニングショー」に協賛しており、同イベント内でも「イイノの森」の「実生苗」の配布を実施しています。

バリアフリーと公共交通アクセスへの考慮

当社グループでは、コミュニティが健全に機能していくことが不可欠であるという考えのもと、障がいの有無や能力差を含めたあらゆる差別の撤廃を基本として、バリアフリーや公共交通のアクセス性を考慮し、人と環境に配慮した質の高いオフィスを提供しています。
具体的には、飯野ビルディングや汐留芝離宮ビルディングにおいてユニバーサルデザインのエレベーターやトイレを設置しているほか、飯野ビルディングなどの一部の不動産開発において障がい者への対応の評価を実施し、法令に則り対応しています。また、当社が保有する国内外すべてのオフィスビルは、最寄りの公共交通機関へ徒歩10分以内でのアクセスが可能で、国内の所有オフィスビルはすべて東京23区内にあることから、羽田空港と成田空港へのアクセスも良好です。