環境への取り組み

海運業における環境保全

 当社グループが取り組んでいる海運業における環境負荷低減のための施策は多岐にわたります。ここでは、代表的な施策についてご紹介します。

1.船尾管エアシール装置、環境配慮型潤滑油の採用

船体から海中へ貫通しているプロペラ軸の軸封装置から潤滑油が漏洩することを防止するため、加圧した空気が潤滑油と海水を遮断する船尾管エアシール装置を採用しています。さらに万一潤滑油が漏洩した場合に備え、海水中で短期間に生分解される環境配慮型潤滑油の採用を進め、二重の漏洩対策を実施しています。

2.効率的な運航による燃費改善、推進性能向上を図る新技術の採用

効率的な運航により燃料消費量を削減することにより、二酸化炭素の排出を抑制することができます。エネルギー効率の適切な管理のための規制発効に伴う管理手順書(SEEMP:Ship Energy Efficiency Management Plan)(※1)の所持に加え、新たに燃料油消費実績報告制度(DCS:Data Collection System)(※2)の運用が開始されました。当社グループではこれらの規制を遵守する適切な手順の運用と共に燃費改善の取り組みを継続し、具体的な取り組み例として二酸化炭素放出抑制に関する船上教育の深度化、省電力型LED照明の積極採用を実施しています。

また、船舶の推進性能を向上させることによっても、燃料消費量は削減され二酸化炭素の排出を抑制することができます。新造船においてはプロペラの推進効率を向上させる船尾付加物装着及び、最新の低摩擦船底塗料の採用を積極的に進めています。既存船においても船体抵抗の軽減を実現する低摩擦船底塗料の採用や、運航中の適切な時期にプロペラや船底の洗浄を実施し、推進性能の維持を図っています。

さらに、2020年度新造船においては航海情報や機関運転状態を常時陸上でモニターできるシステムを搭載し、運行状況を正確に把握しながら陸上から適切な支援を行う体制の高度化を図っています。

※1 船舶エネルギー効率管理計画書(SEEMP:Ship Energy Efficiency Management Plan)

外航船舶からの温室効果ガスの排出を削減する取り組みの一環として、対象となる船舶の所有者が作成し、船舶に備え付けることが義務付けられている計画書のこと。

※2 燃料油消費実績報告制度(DCS:Data Collection System)

外航船舶からの温室効果ガスの排出を削減する取り組みの一環として、対象となる船舶の所有者が1年毎の燃料油の消費実績を収集し、国土交通省又は船級協会に報告する制度のこと。

3.2019年度の温室効果ガス(GHG)排出量について第三者検証を実施

当社は、2030年に向けて船舶から排出される温室効果ガス(GHG)の輸送単位あたりの排出量を40%(2008年比)改善する具体的な数値目標を設定しています。この数値目標の管理と透明性・信頼性の高い情報開示のためGHG排出量(Scope1、2)の算定報告書(対象期間:2019年4月1日~2020年3月31日)を作成し、一般財団法人日本海事協会(ClassNK)による合理的保証水準に基づいた第三者検証を受け、検証証明書を取得しています。なお、ClassNKはISO国際規格(ISO-14064-1)等に準拠した検証業務を行っています。

検証対象GHG排出量(2019年度) トン(tCO₂)
Scope1(直接的なGHGの排出量) 876,661.42
Scope2(エネルギー起源の間接的なGHGの排出量) 10,718.35
合計GHG排出量 887,379

(注) 検証声明書(上記表)の数値は海運業の排出量(Scope1:875,171.69トン、Scope2:0.00トン)と不動産業の排出量(Scope1:1,489.73トン、Scope2:10,718.35トン)を合算しています。

4.「CDP気候変動スコア2020」(※3)において「B-」評価を取得

国際NGO団体であるCDPが実施する気候変動情報開示調査において、マネジメントレベルの「B-」評価を取得しました(2020年)。
マネジメントレベルとは、「環境リスクやその影響に対するアクションをとっていることを示す」、「環境リスクやその影響をトラッキングし、緩和や低減に努めている」を意味しています。環境への取り組みを通じて企業価値の向上に努めてまいります。

※3 環境分野で権威のある国際的なNGOであるCDPによる気候変動に対する戦略や対応、情報開示等の取組みに関して評価する調査。

5.次世代燃料船の採用

燃料燃焼時の硫黄酸化物(SOx)を大幅に削減する代替燃料として、メタノールやLPGも使用するディーゼル機関が実用化されています。当社グループでは、メタノールを燃料として使用可能な二元燃料ディーゼル機関を搭載したケミカルタンカーが2019年12月に竣工し、運航及び船舶管理を通じて、経験及び知見の積み重ねを進めております。更なる環境負荷低減のためLPGを燃料として使用な可能な二元燃料ディーゼル機関を搭載した大型LPG船の建造をしており、2021年12月に竣工を予定しています。

メタノール及びLPG2元燃料船より得られる技術的知見、経験は今後実用化が予想されるカーボンフリー燃料ディーゼル機関技術、運航管理に直結することが予想され、継続して技術的知見の習得を進めております。併せてその他低環境負荷燃料及び動力源(原動機)に関する技術調査、検証も進めています。

海運業における環境保全
不動産業における環境保全
気候変動への対応