2023年 創業記念日 社長挨拶
当社は2023年7月1日に創業124年を迎えました。
代表取締役社長 大谷祐介が6月29日に飯野海運グループ全社員に向けて下記の通り挨拶を行いました。
記
2023年 創業記念日 社長挨拶
明後日、124回目の創業記念日を迎えるにあたり、役職員の皆様に一言ご挨拶申し上げます。
5月に公表し皆さんにも説明した新しい中期経営計画「The Adventure to Our Sustainable Future」(以下、中計)は既に始まっており、その本格的な実行に向けての準備段階が完了しつつあります。本計画で掲げたテーマ、重点戦略および事業基盤戦略について、部門、関係会社、海外店所の各組織において、その理解を深めながら、足元の対処すべき課題も含め広く内部で議論した上で、各部各社が達成すべき目標(ミッション)を明確に定めました。この
ミッションを中心とする各組織の業務遂行計画に基づき、業務目標とKPIの進捗管理を行い、改善に向けた適切なアクションを取ることで中計の達成を図っていきます。7月からいよいよ新たな経営体制の下で中計の実行段階に入ります。中計の内容については、社内説明会でその詳細についてご案内済みですので、多くを語りませんが、重要なポイントのみおさらいしたいと思います。
先ず、新しい中計の位置付けとしては、前の中計のテーマである「共通価値の創造を目指して」に、より具体的なターゲットを設定して取り組む計画となります。即ち、経済的価値の創造については、ポートフォリオ経営、社会的価値の創造については、カーボンニュートラルに夫々挑戦していくことをメインテーマとしつつ、成長に軸を置いた経営資源の配分、グローバル展開、環境配慮に向けた投資促進を始め、人的資本の強化と人権尊重といった社会的要請への対応を重点戦略として推進していきます。事業基盤戦略はこれら共通価値創造のための土台として、船舶・ビルの管理品質向上、コスト競争力の向上、DXの推進加速、ガバナンスの強化の4つを設定しています。各戦略の詳細や財務・非財務KPIなどにつきましては、当社webサイトに中計説明会の動画含め資料を掲載していますので、皆さんぜひ繰り返し確認の上、内容の理解を深めてください。
次に、中計を進めていく上で私から皆さんに期待することについて、2つほどお話させて頂きます。
先ず1つ目は、社内のコミュニケーションの質を高め、チームワークの意識を自部門、自組織だけでなく他部門、他の組織に広げ、業務に臨んで欲しいと思います。中計のテーマにした「ポートフォリオ経営の推進」を例にとります。今回は各事業を成長性と資本収益性の二軸で評価した上で、事業毎の個別戦略を策定しましたが、推進にあたっては常に事業間のシナジー創出も意識したものでなければいけません。簡単に言ってしまえば、シナジーにより、1+1で2以上の成果を出すことです。そのためには、個別戦略の推進に加え、組織横断での取り組み、所謂横串の通った戦略と戦術を進めていくことが何より肝要です。気候変動、人的資本、人権尊重を始めとするサステナビリティや、DXの推進といった全社的な課題への取り組みにも、組織横断による対応が求められます。シナジーの創出や組織横断のチームワークを効果的に進める上で重要なのは、コミュニケーションの質を高め、風通し良い組織・職場にしていくことです。
そのために皆さん一人一人がやるべきことは、先ずお互いを知る、他の部署や会社全体で何が起こっているのかに興味を持ち、広い視野で物事を捉え行動することが大切です。当社グループの組織や人材力の強みを形容する際に、「コンパクトで小回りが利く組織体制」、「社員一人一人の顔と名前が一致する会社」という言葉を良く使いますが、今でもそうでしょうか。コロナ禍の3年間を経て、在宅勤務や、リモート会議の増加により、意識せずとも仕事のやり方が事務的に、あるいは他部との関わり方が希薄になっていないでしょうか?
新しい中計を始めるにあたって、社内の人間関係の再構築や仕事の進め方について改めて考えてみましょう。
そして2つ目として、自身の業務あるいは当社事業に関わらず、「外部の」情報やトレンドについて、敏感に察知し理解するようにして欲しいと思います。常日頃から顧客に対峙している営業部門においては実践しているかと思いますが、これをグループ全体でできている組織でありたいと思います。世の中の変化のスピードが加速する昨今、これまで以上に外部の動きをいち早く把握し対応していくことが求められます。我々の強み、弱み、チャンスとピンチを最新の外部環境や状況に照らして「客観的」に分析し、自社の強みはさらに伸ばし、弱い部分は外部の新しい知見や技術を取り入れて補強し、サービス品質とコスト競争力の向上の両立を図ることが重要です。今年の年頭挨拶にもあった「外に出て、人に会って、多様な考えに触れ、新しい経験を積み上げることで、皆さんの見識が広がり、自身の成長にも繋がります。少数精鋭の飯野海運においては、皆さん一人一人のレベルアップが、会社の成長の大きな原動力になるのです」、もう一度思い出してみてください。
以上の2点、中計を実行していく上で私から皆さんへ期待することですが、会社としてもそれらを促進していく施策を順次導入していきます。
最後になりますが、皆さん、新しい企業理念はもう覚えましたか?「安全の確保を最優先に、人々の想いを繋ぎ、より豊かな未来を築きます」です。安全の確保の重要性については、改めての説明は不要かと思います。「人々の想いを繋ぎ、より豊かな未来を築く」については、海運業はモノの運送、不動産業はオフィス空間の提供、これら当社のサービスの少し先にある人々の想いやニーズ、新たな発想などを繋ぎ、より豊かな未来を築いていくことが、当社グループの存在意義であり社会への提供価値であると定めています。「人々の想い」の人々は顧客だけでなく、全てのステークホルダーを含みます。そして、役職員の皆さんもそのステークホルダーの一員です。新しい中期経営計画の実行に移るにあたり、先ずは自分たち自身の想いを繋いでいく意識を強く持ち、3年間のAdventureをスタートしていきましょう。
それでは、結びにあたりまして、
グループ全船の安全運航、所有ビルの安全無事故
グループ各社の一層の繁栄
グループ役職員の皆様ならびにそのご家族のご健勝とご多幸を祈念いたしまして、私の挨拶とさせて頂きます。
ご清聴ありがとうございました。
以上