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2026年 社長年頭あいさつ

2026年1月6日
飯野海運株式会社


飯野海運株式会社代表取締役社長大谷祐介は、1月5日に飯野海運グループ全役職員に向けて2026年年頭挨拶を行いました。

2026年 新年挨拶

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皆さん、新年明けましておめでとうございます。2026年の仕事初めに当たり、海運部門・不動産部門、そして海上で奮闘している船員の皆さんをはじめ、全役職員の皆様に心よりご挨拶申し上げます。

まずは、昨年一年間、安全第一に職務を全うしてくださった海陸の全スタッフの皆さんに深く感謝しています。皆さんの献身的な業務対応によって、グループ全体が堅実な成果を収めることができました。

昨年、国内では、円安と半導体・輸出関連企業の好業績により、日経平均株価が10月末に50,000円を突破する記録的な高値となり、株式市場に活気が戻りました。こうした経済環境や物価上昇を背景に、日銀は12月に政策金利を0.75%へ引き上げ、30年ぶりの高水準に戻しました。

経済の正常化に向けた動きが鮮明になる中、政治面でも大きな変化がありました。10月には高市早苗氏が自民党総裁に選出され、第104代内閣が発足しました。高市政権では、国内外を取り巻く地政学リスク、サプライチェーンの脆弱性、人口減少下の成長力低下などへの危機感を背景に「日本成長戦略本部」を立ち上げ、17の戦略分野を設定し、その一つとして造船を戦略的基盤産業として位置付けました。国際物流インフラの強化を目標に業界の再生・競争力の向上を図ろうとしています。政府は官民で1兆円規模の投資を決定し、造船業再生のロードマップを昨年末に公表しました。このロードマップでは、現在約900万総トンである年間建造量を、2035年に「1,800万総トン」に倍増するという目標を掲げています。その実現のために、DXによる効率化を含む建造設備の増強、造船人材の確保と育成、そして脱炭素化に向けた国際ルールづくりを進めます。さらに、ゼロエミッション船等の新たな建造需要を取り込み、対米国を中心とした国際的な技術協力や連携を行っていく方針です。当社も日本の船主として、積極的な情報入手と関与が必要になってきます。

また、海外においては、昨年初めに米国による追加関税措置が世界経済に大きな混乱をもたらしました。米国関税による荷動きへの影響に加え、今年11月まで運用停止とはなっているものの米中による両国船舶入港時の入港料増額措置も潜在的なリスクとして残っており、先行き不透明な状況が続いています。ウクライナ紛争は未だ終息せず、イスラエルとハマスの停戦合意も遅々として進まず、中東情勢の緊迫化は今も続いており、船舶の自由な航行は阻害されたままとなっています。

環境面では、昨年10月に国際海事機関(IMO)は、国際海運からの温室効果ガス排出削減を目的とするいわゆる「ネットゼロフレームワーク」の採択について審議を1年間延期することを決議し、世界的な枠組みでのGHG削減への道は減速することとなりました。

このような状況の中、飯野海運グループは現中期経営計画「The Adventure to Our Sustainable Future」の最終年度である3年目を終えようとしています。ここで簡単に昨年の進捗状況を振り返ってみたいと思います。

投資目標として掲げた1,000億円のうち現在9割まで投資が進捗しています。海運では、昨年8月にケミカル船の「CHEMROAD KAIA」が、9月には当社初のエタン船の1番船である「IINO INEOS VESTÁ」が竣工しました。本日1月5日には2番船である「IINO INEOS SUNNA」も竣工、またケミカル船の「CHEMROAD ODYSSEY」も今月中旬に竣工を控えています。不動産では昨年10月に米国2号案件であるポートランドの「PRESS BLOCK」が竣工しました。船舶・不動産以外では、昨年末に年間約290トンのCO2排出削減を可能とする秋田申川太陽光発電所が運転を開始しました。成長投資、環境投資共に順調に進捗していますが、残りの期間で投資目標を達成すべく、引き続き検討を進めていきます。財務数値についても計画達成まであと少しというところまできています。計画達成に向けて、効率配船とコスト抑制に努め、一丸となって邁進していきましょう。

さて、2026年は十干十二支(じっかんじゅうにし)で「丙午(ひのえうま)」の年にあたります。十干(じっかん)の「丙(ひのえ)」という文字は、太陽のように大きく広がる火、生命力にあふれているなどの強いエネルギーを象徴しています。十二支の「午(うま)」という文字は、南の方角や太陽が一番高く昇る正午を象徴するため、勢いや運気が最高潮に達している状態を表しているとされ、「丙午」は古来より強いエネルギー、行動力、変革の象徴とされてきました。今年は新たな中期経営計画がスタートする節目の年でもあります。現在、計画の策定をしているところですが、営業成長ならびに人的資本、財務資本、環境対応の三つを重要な経営戦略のポイントとして捉え、議論を進めているところです。事業を発展させ、資本効率を磨き、環境対応を実行に移す、これらを人的資本の強化でつなぎ、全社で前進していきたいと考えています。次期中期経営計画の策定にあたっては、社外取締役を含めた取締役会での議論のみに留まらず、社員の皆さん一人ひとりにも会社の将来を積極的に自分事として考えてもらうため、若手社員を中心に当社の将来像についての意見を出してもらいました。当社を取り巻く環境は、国際情勢の変化、次世代エネルギーや環境問題への対応、それに伴う技術革新など、まさに激動の時代にあります。
私たちの一年を「丙午」になぞらえるなら、自分事として意志ある「火」で道筋を照らし、鍛えあげた脚で力強く駆け上がる年にしたいと考えています。

先に述べた通り、当社を取り巻く事業環境は大きな変化の中にあり、この変化に立ち向かうことは私たちの責任感を強くする一方で、同時に心身に負荷をかける要因ともなります。当社グループは挑戦し続ける企業でありたいと思いますが、社員の皆さんの心身の健全さを無くしてしまっては、持続可能な成長はありません。どんなに高い目標も、健全な心と体があってこそ達成できます。ご自身のケアと共に、同僚の変化に気づいたら声を掛ける、話し合うなど共に支え合ってください。これは海上でも陸上でもどんな職場環境でも変わりません。仲間を気遣い、互いに支え合ってください。会社は、皆さんの健康と働きがいを守るため、全力でサポートしていきます。

それでは、結びにあたりまして、
グループ全船の安全運航、
所有ビルの安全無事故、
グループ各社の一層の繁栄、
グループ役職員の皆様ならびにそのご家族のご健勝とご多幸を祈念いたしまして、私の挨拶とさせて頂きます。

以上