LPG二元燃料VLGC「Oceanus Aurora」にNorsepower 社製ローターセイル(風力推進補助装置)2 基を搭載完了
飯野海運株式会社
Borealis AG社
Norsepower社
当社は、Norsepower社とローターセイル設置に関する契約を2023年に締結しておりますが、今般2024年11月にオランダ・ロッテルダムにおいて、Borealis AG社が長期用船しているLPG二元燃料VLGC「Oceanus Aurora(以下、本船)」にNorsepower社製ローターセイル2基の搭載が完了しましたので、お知らせいたします。
ローターセイルを搭載した「Oceanus Aurora」
©Norsepower社
今回搭載されたローターセイル2基は、高さ20m×直径4mの特別設計となり、航路におけるエアドラフト(海水面から本船最高部までの高さ)制限を満たす設計となります。ローターセイルは甲板上に設置され、モーターによって回転するシリンダーと風によるマグヌス効果で推進力を生みだすことで、燃料消費量、二酸化炭素(CO₂)排出量などを削減します。
本船は、主要航路として米国・ヒューストンとスウェーデン・ステヌングスンドまたはフィンランド・ポルヴォー間を航行します。本設置により、燃料消費量とCO₂排出量を約4%削減(Norsepower社による試算)し、燃費実績格付け制度(CII)などの国際的なCO₂排出量削減規制への対応にも貢献します。
<Borealis AG社 Thomas Van De Velde, Vice President コメント>
「輸送において環境への影響を最小限に抑えることは、当社のエネルギー戦略および気候変動戦略にとって極めて重要です。革新的なNorsepower社製ローターセイルの本船への搭載は、当社の意欲的な排出削減目標の達成に寄与し、より持続可能な輸送への転換を支援します」
<飯野海運株式会社 取締役執行役員 藤村誠一 コメント>
「持続可能な船舶への投資は、当社の環境保全への取組みにおいて極めて重要です。
Norsepower社およびBorealis AG 社との提携により、有望な技術を当社の事業に統合させることが出来、脱炭素化への取組みを一層強化することに繋がります」
<Norsepower社 Heikki Pöntynen, CEO コメント>
「当社製ローターセイルの導入は、海運業界がサステナビリティに対して積極的に取り組んでいることを示しています。現在稼働中の27基のローターセイルから得られた確かな実証性能データは、燃料費と排出ガスいずれにおいても目に見える形で削減できたことを証明しています。ガス運搬船向けとして3例目の設置契約により、当社は飯野海運とBorealis AG社の環境対応および事業戦略の推進をサポートできることを光栄に思います」
Borealis AG社について
Borealis AG社は先進的かつ持続可能な循環ソリューションポリオレフィン生産メーカーとして世界トップクラスの一社であり、基礎化学品において欧州市場のリーダーです。長年にわたる従業員の経験と専門知識をもとに、様々な産業に対して先進・付加価値のある再生可能な素材を提供しています。持続可能な生活への改革において、技術革新を通じ、循環型経済への転換を推進、そして事業拠点を拡大して、世界中の顧客により良いサービスを提供するために、安全、従業員、優位性へのコミットメントに取り組んでいます。また、Borealis AG社は6,000名の従業員を擁し120カ国以上で事業を行っており、2023年の純利益は2億16百万ユーロでした。OMV社(在オーストリア、国際石油ガス事業会社)が75%、Adnoc社(在アブダビ)が25%それぞれBorealis AG社の株式を所有しています。Borealis AG社の製品やサービスはBorealis AG社と2つの主要な共同出資会社、Borouge社(UAEに拠点を置くAbu Dhabi National Oil Company(ADNOC)との共同出資)とBaystar™社(米国に拠点を置くTotal社との共同出資)によって全世界に供給されています。
詳しくは、https://www.borealisgroup.com/をご覧ください。
飯野海運について
飯野海運は1899年設立の東京に本社を置く海運会社(海外拠点:上海、シンガポール、ドバイ、ロンドン、ヒューストン)です。飯野海運グループは、原油、LNG、LPG、アンモニア、石油化学製品、乾貨物などのエネルギー資源およびその関連製品の輸送に特化した船主およびオペレーターとして、全世界で輸送サービスを展開しており、2024年9月末現在、大型LPG船(VLGC)7隻、中小型ガス船25隻、ケミカルタンカー34隻、ドライバルク船24隻、大型LNG船1隻、大型原油タンカー(VLCC)4隻の合計95隻を保有・運航しています。液化ガス輸送においては、1960年に日本初の加圧式内航LPG船、1963年に外航LPG船による輸送サービスを開始して以来、LPG、LNG、アンモニア、エチレンなどの多様な貨物の輸送を通じて、長年の経験と技術力によりお客様に安全・安心な輸送サービスを提供してまいりました。
詳しくは、https://www.iino.co.jp/kaiun/index.htmlをご覧ください。
Norsepower社について
ノースパワー社は、フィンランドのクリーンテクノロジーとエンジニアリングの会社で、近代的な風力推進補助装置の先駆者です。Norsepower社製ローターセイルは、10年にわたって顧客に使用され、タンカー、LCO2船、ドライバルク船、RoRo船やRoPax船など、さまざまな種類の船舶に搭載されています。今後、12か月以内に設置ペースは2倍以上に増加する見込みです。ローターセイルの性能は、複数の独立した第三者機関によって確認されており、船舶のCO₂排出量を大幅に削減する最も優れた既存のソリューションのひとつとして認識されています。
詳しくは、https://www.norsepower.com/をご覧ください。
本件に関する問い合わせ先
ガス船第一部LPG船課 TEL:03-6273-3098
問い合わせフォーム:https://www.iino.co.jp/kaiun/contact/
以上