ニュースリリース
海運業

飯野海運とみずほ銀行における大型液化エタン船(VLEC)向け 「サステナブルシッピング・インパクトファイナンス」契約の締結について

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飯野海運株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:大谷 祐介、以下「飯野海運」)は、株式会社みずほ銀行(本店:東京都千代田区、頭取:加藤 勝彦、以下「みずほ銀行」)が海運セクターの脱炭素への移行に向けた取り組みを各船社・船主とともに促進していくために開発・取り扱いを開始した「サステナブルシッピング・インパクトファイナンス(※1、以下「本商品」)」の第一号案件として、このたび同行との融資契約(※2)を締結しました。

本商品は、世界最大規模の船級協会(※3)である一般財団法人日本海事協会と連携して策定した独自の評価手法を用いて、融資対象船舶の環境性能をCO2排出削減の観点で評価し、一定の基準を満たした船舶を対象に、みずほ銀行が融資を行うものです。また、融資対象船舶および借入人が保有・管理する船隊の運航に関し、CO2排出削減を促していくためのKPIを設定し、定期的なエンゲージメント(建設的な対話)を実施することで、各船社・船主の脱炭素に向けた取り組みの発展と気候変動に対するインパクトの創出を支援していきます。なお、本商品のフレームワーク(※4)は、株式会社日本格付研究所(JCR)より環境省の「インパクトファイナンスの基本的考え方」に適合する旨の意見書(※5)を取得しています。

今般、飯野海運が建造する大型液化エタン船(VLEC)について評価を行い、高い水準で基準を満たしたことから、本商品の契約締結に至りました。同船は重油の他、従来の燃料油と比較し二酸化炭素の排出量が少ないエタンを燃料として使用可能な二元燃料主機関を搭載しており、2025年後半以降に竣工予定です。

みずほ銀行は、本商品の提供を通じ、海運セクターのお客さまの脱炭素化、およびそれに向けた事業の強化・転換を支援し、日本のカーボンニュートラル達成に貢献していきます。また、お客さまとともにインパクトと収益の創出の好循環を実現し、社会・環境課題の解決と企業価値向上を目指します(※6)。

飯野海運は、2023年5月に中期経営計画「The Adventure to Our Sustainable Future」(※7)を策定し、気候変動を始めとするサステナビリティへの取り組みを強化しています。海運業においては、2030年までにトンマイル当たりの温室効果ガス排出量を2020年度対比で20%削減、不動産業においては、温室効果ガスの総排出量を2013年度対比で75%削減、2050年までに全社でカーボンニュートラル達成の目標を掲げ、革新的な技術への投資を積極的に進めています。今後も持続可能な社会の実現に向け、気候変動への対応を含むサステナビリティへの取り組みを推進してまいります。

<案件概要:サステナブルシッピング・インパクトファイナンス>
融資先   KNIGHTSBRIDGE NAVIGATION S.A.(飯野海運株式会社100%出資子会社)
貸付人   みずほ銀行
契約締結日 2025年3月21日
実行日   2025年10月(予定)

※1 2025年3月21日付みずほ銀行 プレスリリース
 「サステナブルシッピング・インパクトファイナンス」の取り扱い開始について
https://www.mizuhobank.co.jp/release/pdf/20250321release_jp.pdf
※2 契約主体は飯野海運100%出資子会社のKNIGHTSBRIDGE NAVIGATION S.A.
※3 船舶(構造・機関・設備等)が規則に従って設計・計画・建造されているかを審査する機関。
 近年は船舶の環境性能に関する審査・認証も実施。
※4 みずほ銀行「サステナブルシッピング・インパクトファイナンス」フレームワーク
https://www.mizuhobank.co.jp/corporate/sustainability/shipping/pdf/framework.pdf
※5 株式会社日本格付研究所のウェブサイト
https://www.jcr.co.jp/greenfinance/
※6 2024年5月14日付株式会社みずほフィナンシャルグループ ニュースリリース
「インパクトビジネスの羅針盤」の公表について
https://www.mizuho-fg.co.jp/release/20240514release_jp.html
※7 飯野海運 中期経営計画「The Adventure to Our Sustainable Future」
https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS00371/956dd076/ab3d/45ff/affb/582102692033/140120230509560614.pdf

【一般財団法人日本海事協会について】
一般財団法人日本海事協会(ClassNK)は、海上輸送の安全と海洋環境の保護に取り組む世界最大級の国際船級協会です。船級協会とは、中立的な第三者の立場から船舶の規則制定と検査を行い、商船の保険付保に必要となる「船級」を登録している団体です。
120 年以上の歴史と全世界 58 カ国 130 カ所の拠点を有し、100 カ国以上の船舶の船籍国(旗国)から国際条約・地域規制に基づく検査および証書発行の代行権限を取得しています。
加えて、長年の知見と経験を活かし、品質、環境、労働安全衛生などさまざまなマネジメントシステム認証、GHG 排出量の検証、再生可能エネルギー関連設備に関わる認証を行っています。
本会は、海運事業に携わる皆さまの脱炭素燃料への移行対応を包括的に支援する「ClassNK トランジション サポート サービス」を展開し、お客さまの脱炭素化に向けた取り組みをあらゆる角度からサポートしてまいります。

【本件に関するお問い合せ先】
飯野海運株式会社 経理部財務課 03-6273-3175
株式会社みずほ銀行 広報室 03-5252-6574

以上