海という大自然を相手に乗組員の力を結集して航海を続ける。

INTERVIEW
海務部 船長
T.N.
商船学科 卒 1982年入社

現在の仕事内容

全長にして333m、300,866載貨重量トンの大型タンカーに船長として乗船中です。日本が輸入している原油の8割強がサウジアラビア、UAE、カタールなどの中東諸国からのもので、本船はマラッカ海峡を経由して、往復1.5ヶ月の航海を行うことで、その一端を担っています。
船の仕事は簡単に言えば「運送業」なので、A地点からB地点へ荷物を運ぶのですが、荷物を積むのに必要な知識と技術があり、その荷物を揚げる際にも、また別の知識と技術が必要となります。さらには、航海途中の海象・気象の変化への対応や、機関部によるエンジンはもとより生活設備のメンテナンスまで、すべてを乗組員の手で行い、航海を完結させるところに船の仕事の面白さがあります。船には最新の機器を積み込み、航海中は常に陸上から会社のサポートを受けているのですが、大自然が相手の航海ですので、最終的に航海を完遂するためには、乗組員26名の結束が大切です。苦労も多いからこそ、積荷を完全に揚げ切ったときの爽快感は、何とも言えません。

乗船の瞬間から海上職員としての意識を持つ

海上職員を志すみなさんは既に、練習船などで長い航海や船内生活は経験済みだと思います。私たちの船内の環境や生活のリズムは、練習船とそれほど大きな違いはないはずです。しかし、環境は同じとは言え、練習船は知識を学ぶ船であり、商船はその学んだ知識を披露・活用する船という違いがあります。
職場では、一般社会とは異なることも数多くあります。というのも、あなたが三等航海士・三等機関士の辞令をもらって乗船し、乗組員の前で挨拶をして頭を下げ、その下げた頭が元の位置に戻ったときから、あなたの目の前には既に部下となる数名の乗組員が控えているからです。みなさん外国人で、飯野海運の場合はフィリピン人ですが、その中には、乗船履歴十数年を誇る猛者もいれば、明日の時化の船酔いを心配している新人もいます。ですが、心配はありません。みんなが笑顔で、「ウエルカム、サー!」と迎えてくれますから。

ある1日の仕事

05:45
起床
06:00
昇橋・状況確認
昇橋、「金毘羅さん」にご挨拶した後、船位・船速や周りの状況を確認。
通信用のPCにて夜間に受信したメールのチェック。
07:00
朝食
月~土曜日は日本風の食事(日本食と断言はしません!)、日曜日はパン食が多い。
08:00
準備体操
ECR(Engine Control Room)付近の様子を見て、朝の準備体操に合流。
08:10
昇橋
本船の航路の場合、日本との最大時差は6時間のため、会社との連絡は時差を考慮する。
12:00
昼食
麺類、丼物がメイン。
13:00
チェックリストや書類の整理
乗組員を船橋に集めて、新しい機器やルールなどの勉強会を開催。
14:00
食料などの確認
食糧や嗜好品(酒、たばこなど)の消費状況や在庫の確認などを行う。
月末になると乗組員の給与や手当の精算、各種月末報告を作成する
18:00
夕食
土曜日は、焼肉や鍋、お好み焼きなど。
食事の後は、部屋で映画を観たり、2週間遅れで廻ってくる雑誌を読むなどして過ごす。
23:00
就寝

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