MY SEA-LIFE BALANCE
ともに汗を流す仲間に、
まずい料理は出せません。
IGTで司厨長をするまでは、船上での調理経験はありませんでした。何度か乗船し、ようやく揺れの中での調理作業にも馴れてきたある日。みんなの残飯の量が多いことに気づいたんです。よくよく考えてみると、船員は日本各地から集まっているし、年齢もバラバラ。味の好みにも差があるはず。そう思った私は、次の日からできるだけたくさんの種類の料理をつくり、小皿に分けて出すことにしました。すると、ふだんは何も言わない船員が「おいしかったよ」と言ってくれたんです。
司厨長は、ふつうの料理人とは違い、食事をつくるだけでなく荷役を手伝います。同じ作業をするから、仲間の頑張りが身にしみてわかる。だから、どれだけ手間がかかっても、みんなの口に合う料理をつくりたいと思うんです。もっと色々な料理の勉強をし、食で仲間のチカラになりたい。それが私のやりがいです。
味のヒントが、
全国の港にある。
船上が職場だということは、ある意味、料理人にとって幸せな環境と言えるのかもしれません。それは、航海中に日本各地のお店で料理を食べられるから。港近にある哀愁漂う赤提灯のお店や、土地の名産や名物を味わえるお店まで。店主やマスターと仲良くなると、その地方の食材や調理方法、隠し味まで教えてくれたりもします。それを試しに船の料理で出してみて、仲間の意見を聞いてみるのも私の楽しみのひとつです。数ヶ月も船に乗る船員たちの舌を飽きさせないために、私の港めぐりはまだまだ続きます。
MY
SEA-LIFE
BALANCE
ON
朝ごはんをつくってすぐ昼食の準備も。
昼は「早く食べれておいしい」を
意識して統一感ある定食を。
少し早めから夕食の準備を始めます。
食べたい!
と思わせるために
料理の見た目にも
こだわります。
OFF
停泊中には地方の
居酒屋をまわり、
その地域独自の
味付けを学びます。
航海前に料理雑誌を買って持ち込み、船での料理のヒントにします。
基本的に乗船中はお酒を我慢。なので、下船後の最初の一口目は最高です!
地域によって
ラーメンの
出汁はどう違うのか...。
海の上ではたらく人に、
ワークライフバランスを
OTHER SAILOR’S
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