海事科学部 卒 2012年入社
現在の仕事内容
現在、私は二等機関士として働いています。二等機関士の主な仕事は、ディーゼル船の場合は発電機や荷役機器、タービン船の場合は主ボイラの運転および整備作業です。
私が海上職員として入社してから5年が経ち、職位も上がるにつれて、担当機器も船の運航に直接関わるものになってきました。日々の作業においては、自分の仕事の重要性を常に意識しながら行うようにしています。たとえ1回の乗船中に何度も行うようなルーティンワークであっても、気が抜けてミスをしないようにと注意しており、昨日までは問題がなくても今日はどこかに異常や予兆があるかもしれないと思いながら、作業にあたっています。
機器の異常を発見するには、音や温度、振動、圧力など、正常な時の状態をしっかりと覚えておく必要があります。そのため、毎日朝夕の機関室の見回りの際には、正常に運転されている機器でも音や振動等に注意しながら見回りを行い、不調になったときにすぐにおかしいと気づけるようにしています。
上職を見据えて勉強中
多くの機関士の方々と同様に、調子の悪かった機器を正常な状態に直せたときは、やはり嬉しいです。たとえば、汚れて見えにくかった計器類を交換して綺麗にしただけでも気持ちがいいですし、それまでしばらく調子の悪かった機器の修理手順を検討して整備した結果、機器の調子が良くなればもっと嬉しいですね。
また、最近では石油メジャーによる検船が厳しくなっており、機関士であっても、その対応のために多くの書類や整備記録、試験記録、予備品を管理することが求められています。そのため、日常の整備作業をしっかり行い、自分の担当機器を万全にするだけではなく、検船で必要となる書類や、検査官が特に指摘しそうなポイントや最近の動向などにも目を配り、自分が上職になった際にも、検船で指摘事項がより少なくできるように勉強中です。
人を育てる会社
私が当社で働きたいと思った理由は、“人を育てる会社”だと感じたからです。学生時代の会社訪問で当社を訪れた際、担当者は海技伝承のための取り組みや多くの研修制度、少数精鋭で頑張っていることなど、とにかく人を育てていくことの重要性と大変さについて熱く語ってくれたことを覚えています。それは、他の船会社の会社訪問での印象とは少し違ったものでした。そして当社の海技者になれたで今でも、その印象は変わっていません。
当社の上司には、優しい人も厳しい人もいます。しかし、難しい仕事や経験のない仕事をするときには、必ず一緒に考えて、見るべき点、若手にはわかりにくい作業の重要ポイントなどをアドバイスしてくれます。上司のさりげない助言や仕事の仕方は、仕事をするうえで大きな安心と自信を与えてくれます。
どのような職場であれ、良好な人間関係があってこそ、より良い仕事ができると思います。船という少し特殊な環境では、特に大切です。その点で、周りに気を配ることや相手の立場で物事を考えることが苦にならない人は、海技者に向いているのではないかと思います。
- 起床・機関室見回り
- 朝食
- 仕事の前のミーティング
- 作業内容、作業手順の打ち合わせ、KYT(危険予知トレーニングの略称。当日の作業において注意すべき項目を洗い出すこと)、体操など
- 作業開始
- 時間のかかりそうな作業、急ぎの作業から始める。途中、30分の休憩を挟む。
- 昼食
- 作業開始
- 午前の続き、もしくは夕方までに終わりそうな作業を行う。途中、30分の休憩を挟む。
- Mゼロチェック、機関室見回り
- 夜間、Mゼロ(機関の無人化運転)体制にできるか、機器の運転状態を確認。
- 業務終了
陸に上がって休暇に入った初日には、まず一人で寿司を食べに行きます。その後本屋に行き、ドライブやツーリング情報誌をたくさん買い、行きたいところを探して出かけます。私は鹿児島に住んでいるので、熊本の阿蘇や大分に行くことが多いです。九州はドライブ・ツーリングスポットがたくさんあるので、みなさんぜひ遊びに来てください。