環境

生物多様性の保全

方針

基本的な考え方

飯野海運グループは、環境方針に「生物多様性に及ぼす影響の回避と影響が及んだ際の復元に努めます。また温室効果ガスの排出を抑制し排出量を削減することで気候変動の影響に対応するとともに、大気汚染物質の排出量の削減を図るため環境負荷低減に寄与する有形・無形の資産への投資を進めます。」と明記しています。この考え方に基づき、海運業・不動産業の事業全般において、生物多様性の保全に取組みます。生物多様性の保全は社会の構成員として積極的に取組むべき社会的課題と認識し、当社グループのマテリアリティ(サステナビリティ重要課題)の一つにも位置づけており、バラスト水処理装置の導入や森林づくりに取組んでいます。

マテリアリティは「サステナビリティ重要課題の特定」をご覧ください。

取組み

生物多様性の保全に向けた取組み
船尾管エアシール装置、環境配慮型潤滑油の採用

油や化学物質の漏洩は、海洋汚染や人体、生物への悪影響など、深刻な事態が生じる可能性があります。船舶の海洋汚染事故を防ぐため、船員教育や関係設備の適切な運用、保守など安全対策の徹底を図るほか、船体から海中へ貫通しているプロペラ軸の軸封装置から潤滑油が漏洩することを防止するため、加圧した空気が潤滑油と海水を遮断する船尾管エアシール装置を採用しています。

さらに万一潤滑油が漏洩した場合に備え、海水中で短期間に生分解される環境配慮型潤滑油の採用を進め、二重の漏洩対策を実施しています。

埼玉県秩父郡長瀞町での森林整備

当社は2023年2月2日に秩父広域森林組合(代表理事組合長:吉田 廣文)および埼玉県(知事:大野 元裕)と「埼玉県森林づくり協定」を締結し、埼玉県長瀞町の7ヘクタールの森林づくりに出資しています。

また森林づくりの一環として、5月に当社グループ役職員ボランティアによる植林を行い、従来種と比較して花粉量を99%削減した「少花粉杉」を植えました。

本取組みを通して国内林業の支援、対象地由来材木の活用、荒川流域を中心とした保水治水および水道水源の管理向上、豊かな海(東京湾)へつながる豊かな森の整備に貢献します。

「イイノの森」における環境保全活動

飯野ビルディングの公開空地に2014年に造られた「イイノの森」は、皇居・日比谷公園の緑を「つなぐ」ことをコンセプトに設計されました。「イイノの森」は潜在自然植生の復元をコンセプトとしており、生物多様性に配慮した環境保全活動も行っています。「イイノの森」は中高木を中心に約80種の植物で構成されており、樹種選定にあたっては(株)竹中工務店の協力のもと、江戸時代の文献等に基づく地歴調査や周辺地区の現況植生調査、さらには潜在自然植生図の調査を行いました。また、過去の生き物生息調査資料から鳥類10種、蝶類11種を「イイノの森」の誘致目標種と定め、長期的な緑地管理を目指し5年に1度、状況確認および緑地管理へのフィードバックを目的とした生き物調査を行っています。加えて、年間約156回の巡回と、年4回の樹木医の診断による強固な管理体制のもと、都心部の環境と生物多様性に配慮した、維持管理に努めています。

2018年3月には、東京都環境局より「江戸のみどり登録緑地(優良緑地)」に認定されました。

飯野ビルでのニホンミツバチの養蜂「ミツバチプロジェクト」

飯野ビルディングでは2014年よりニホンミツバチの巣を設置し、ニホンミツバチの養蜂を行っています。ニホンミツバチは国内で一般的に飼育されているセイヨウミツバチと異なり、環境の変化や餌資源の減少に反応して巣を放棄してしまう習性を持っています。都内ではビルの屋上でセイヨウミツバチを飼育する事例が多数ありますが、ニホンミツバチを飼育し続けている事例は多くありません。ニホンミツバチの養蜂を継続できていることが環境負荷の少ない低農薬管理が実施できていることの象徴であり、ミツバチにとって好適な環境、つまり生態系に配慮した緑地を提供できていることの指標になると考えています。

評価

社外からの評価

いきもの共生事業所®認定
(ABINC)
第1回特別賞

飯野ビルディング

在来種の保護やニホンミツバチの育成など、生物多様性の保全に取組むオフィスビル

江戸のみどり登録緑地
(優良緑地)

飯野ビルディング

東京の生きものに適した環境回復のための在来種植生、生態系に配慮した緑化整備