INTERVIEW
ガス会社と船長の間で、
担当船の運航を取りしきる。
陸上職
R.O
ガス船部 LPG船課
2022年入社
生物資源環境科学府 卒
同じフロアに、
船の専門家がいるという安心感。
入社を決めたきっかけを教えてください。
自分の担当している船が、世界中を運航する。そのスケールの大きさに惹かれ、海運業界を志望するようになりました。ただ、懸念点もありました。海運の仕事は、学生視点だとなかなかイメージが湧かないのが正直なところ。自分に務まるのかという不安もまた大きかったんです。だから、気軽に質問できる環境が私にとっては重要でした。その点、飯野海運は規模がそこまで大きくないため、各部署がワンフロアに集約されています。陸上職として働くことを考えると、海上職経験者が歩ける距離にいることは、とても心強く感じました。しかも、OB訪問で話した先輩社員の皆さんは、柔らかい雰囲気の方ばかり。わからない事象に出会うたび、気軽に相談できそうな気がしました。
入社理由はもうひとつあります。東京にいながら、日常的に英語を使える環境にあることです。飯野海運は外航船が中心になるので、どの部署に配属されても、外国人の方とコミュニケーションを取る機会が豊富にあります。もともと英語学習を趣味にしてきた私にとって、理想的な環境でした。
ガス会社に貸し出している
大型LPG船3隻の運航管理。
現在はどのような仕事をされていますか?
私が担当しているのは、大型LPG船3隻の運航管理。この3隻はいずれも飯野海運が保有するものですが、用船契約のもと、あるガス会社様にお貸し出ししている船です。そのガス会社様は、例えばどの港で積荷役・揚荷役を行うのか、港にいつまでに到着する必要があるのか等、運航内容の大枠を決めます。これを受けて私は、航行が計画通りかつ安全に行えるよう、ガス会社様からの要望を都度確認しながら、本船への指示出しを行います。
具体例を挙げると、何時頃に着桟し、何時頃に出港するかという港でのスケジュールに合わせて、「このくらいのスピードで航行してください」と本船に伝えたりします。別の船が予定時間を過ぎても出港しないようなら、海上で待機するよう指示を出すことも。手配した港湾代理店との連携や、液化ガスの積揚げ数量指示も行います。機器にトラブルが起きたら、同じフロアにいる船舶管理を担当するイイノマリンサービスにスペア部品の発注を依頼。想定外の修理やスケジュール変更など何らかのトラブルが生じ、その費用がお客様またはガス会社様負担となる場合は、説明資料を作成してガス会社様を訪問することもあります。
「海賊リスク」という難題を、
いかに乗り越えるか。
これまでのキャリアの中で、印象に残っていることは?
アラビア湾の海賊リスクのあるエリアを、担当船が航行したときのこと。ガス会社様からの航行指示と本船の主張が衝突し、対応にとても苦労したことがありました。その日、ガス会社様が望んだのは、アラビア湾の手前での海上待機。ところが本船からは、「ここは海賊リスクのある海域。海上待機は危険だ」と異論が返ってきたんです。そこで海務部に相談することに。海務部では、船舶が安全に航行できるかどうかを判断するために、最新の海賊情勢や戦争危険地帯の情報収集を行っています。確認してもらったところ、海上待機予定の海域ではたしかに、10年以上前までは海賊事件が多発していました。でも最近は治安が回復し、海賊リスクは低いとのこと。このデータを共有のうえ説得にあたり、ようやく船長にも納得いただけました。最終的に、安全に海上待機することができ一件落着。意見の相違を乗り越え、安全な航行も確保でき、心から安心しました。このときは「海賊リスク」でしたが、こうした難題を乗り越えた経験の一つ一つが、私の財産になっています。
新造船契約に挑戦したい。
その前に、TOEIC満点を獲りたい。
これからの目標を教えてください。
現在は船の運航業務がメインです。相談しやすい先輩や上司、別部署の方々のおかげで、一歩一歩着実に成長できている実感があります。もうしばらく現在の部署で経験を積み、ゆくゆくは年次の高い先輩社員が担当している新造船契約などにも挑戦できたらと考えています。自分が携わった新造船が、世界の国々にエネルギーを届ける。そんな小説のような話が実現できたら最高です。
英語力については、意思疎通はほぼ問題なくできています。ただ、インドの港湾代理店に連絡を取る際など、聞き取りづらい場面があります。インド英語をはじめ、どんな方言にも対応できるようになりたいですね。あと、ビジネス英会話力には直結しませんが、個人的な趣味としてTOEIC満点を獲ることも直近の目標です。